さぁ、このタイヤをどうするか?天気があまりよくなくて、ほぼ毎日濡れてる路面を走ってるのでこのままでは危なすぎる。
新品でも中古でも、とりあえず安心して走れるタイヤに履き替えたい。しかし、関東でも在庫を置いてあるお店が少ないのに北海道で在庫を持ってるお店があるのかな?
一番近いところでバイクショップがありそうなのが釧路。しかし、野付半島から釧路までは約130kmもある。釧路に行くしかないのかな?
実はこの日はメンテナンスのために中標津にあるushiyadoというゲストハウスを予約してた。もしあわよくば中標津にバイクショップがあってそこにタイヤの在庫があると最高なんだけどと希望を膨らませてみる。とりあえず中標津のバイク屋を検索してみたら「モーターサイクルショップ オアシス」がヒットした。
サイトのトップページの画像がスノーモービル!なんか北海道っぽいな(笑)。ダメ元で電話してみる。
「すみません。お聞きしたいですが、そちらにバイクのタイヤの在庫はありますか?」
「サイズは?」
「17インチです。」
「17インチの?」
「160の60です。」
「ありますよ。」
「えっ!ある?ほんとですか!これから行きます!」
「はーい」
なんか拍子抜けしてしまったけどすごい嬉しい!なんであるんだ?まぁ、それはおいといてオアシスに向かって出発!
お店の看板などはなかったけど店の前にバイクが並んでたのでたぶんここだなと思ってとりあえず店の前にバイクを停めた。
オーナーの乾さんは取り込み中でなんと大きいタイヤに空気を入れていた。たぶんトラクターのタイヤなのかな?実はバイク屋は4分の1くらいでメインは各種タイヤ屋らしい。でも他のスタッフさんはいなくて乾さん一人で盛切りしてるらしい。赤いキャップのお兄さんは遊びに来てる後輩らしい。お店で扱ってるのはトラクターから自動車、バイクのタイヤまで。バイクはあくまでご主人のご趣味らしい。バイクの中古車の販売もやっていてそれ用の商号が「オアシス」。
荷物降ろしますよと言ったのに「ハンドル持ってて」言われて持ってたらそのままリフトアップ!絶対重いはずなのに!
乾さんの手際がほんとによくてあっという間にリアホイールが外れて行く。職人って感じだね。それを興味深く見守りながらちょこちょこ会話を続けていく赤いキャップのお兄さん。なんかいいコンビだな。
フロントもかろうじて溝が残ってるけどこれも時間の問題らしい。もしサイズがあればと言ったら「あるよ」と持って来てくれた。
フロント、リアともPIRELLIのANGEL ST。スラクストンに純正に付いてたのがANGEL GTだったのでなんか懐かしい。ANGEL GTに比べるとなんか細い線が結構入ってるね。
実はタイヤの銘柄とかどうでもいい。交換できて北海道を走り続けられるのであれば問題ない!
タイヤ外してチューブ外して新しいタイヤ付けてチューブ入れるその一連の流れが無駄がなく美しさまで覚えるくらいの熟練の技だった。
ただ、トライアンフはチェーンが右側に付いていて慣れないらしい。右利きが左手で箸使ってる感じに近いのかな?全く慣れないと言いながらあっという間に作業完了!
フロントも荷物積んだままリフトアップ!
ブレーキキャリパーも外す。ずっと誰かに似てると思ったけどこの写真を現象してて分かった。ふかわりょう!の職人バージョン!
控えめにお店の中にあった唯一の看板。中標津辺りでバイクトラブルがあったらこの「オアシス」がオススメです!本当に名前その通りのオアシスのようなお店だ。
実は乾さんはあまり知られたくないないらしい。仕事が増えると面倒が増えるから…
必要な工具は工具棚から出てくる出てくる。なんでも持ってる感じ。こういうのってサイズが合う工具が一つでもないと結構手こずったりするからね。
タイヤを変えたらちゃんとアラインメントも確認してから
フロントタイヤを付ける。
全部かかった時間は1時間くらいかな。ほんとに手際が良くて職人技というのを近くで拝見させていただいた。乾さんいわくこの辺でバイクのタイヤを在庫を持ってる店は自分ところくらいしかないらしい。「何件電話しました?」と聞かれて「1件です…」と答える気まずさ。
意図しててもしなくて旅でこういう縁のつながりというのが旅の楽しさでもあるね。実は乾さん、他の仕事が溜まってたのにもかかわらず旅人の事情を見て最優先で対応してくれたらしい。ありがたい!これでまた楽しく北海道の旅が続けられる!こういう人の情けに北海道がより好きになる!
乾さん、本当にありがとうございました!